1,安全のための見える化、しくみ化
(1)起こる前に防ぐ、”見える化”と”しくみ化”
看板の安全を放置すると、思わぬときに取替えや大規模な補修が生じ、多額の費用負担を強いられることになります。事故が発生した場合には、その管理体制や企業等の責任を問われることになります。多忙な日々の中で、企業や店舗等の安全を確保するためには、清掃や点検、補修、さらに予算管理を含めて「先が見える」ようにすることが大切です。そのためには、屋外広告物の許可申請を軸としてスケジュールを組み立てる方法があります。設置する際の安全だけでなく、将来に渡る安全のしくみを確立することが、皆さんの事業を持続可能なものにします。
①スケジュール化 何をいつ、実施するのか。点検内容と日程を明確にし、予算や組織の配分を行うことで、実施記録の検証が可能となり、具体化が推進されます
②予算化 安全管理には予算の確保が前提です。計画は予算に裏づけがなされて初めて実行可能となるのです。
③組織化 誰が実務を推進し、誰が責任を負うのか。最高責任者は、社会的責任とシステム化の意図を理解し、予算と組織の体制を明確化し、実行に移す責任があります。
④記録化 実行されたものが記録され、目に見えるようになっていることが変化に対応し継続するために重要です。記憶に頼らず、記録によって安全を維持するしくみを作りましょう
(2)具体的な点検プランとスケジュールづくり
先が見えると、対応もスムーズになります。屋外広告物条例に基づく点検に加え、立地条件(自然環境等)を加味して独自の点検プランを立てましょう。
屋外広告物の許可更新申請のタイミングを基本に総合的な定期点検を行い、老朽化や劣化などにより、補修が必要と判断された箇所は補修計画を立てて修繕を行ってください。ただし、急を要する場合は、即時に補修等の対応をしましょう。
(3)専門業者に相談
日常点検で危険な兆候を見つけたときは、点検プランやスケジュールづくりについて、信頼できる専門業者に相談しましょう。
2,所有者の日常点検と初動処置
日常の中で、皆さんが確認できることには限界があります。定期点検は専門業者に任せるして、皆さんのやるべきことは異変に気づくことです。営業日などは、必ず安全パトロールを行いましょう。そして危ないと思ったら、まず最初に立入禁止の処置を行い、見張りを置くことが重要です。次に専門業者に連絡をしましょう。また、人通りの多い場所では、警察への連絡をもしておきましょう
看板所有者の日常点検項目
01 支柱の根本からさびがでていませんか
建植看板 (ポール看板・野立看板など)
02 看板が傾いていませんか
建植看板 (ポール看板・野館看板など)
03 ブラケット部よりさびが出ていませんか
袖看板
04 看板は壁から垂直についていますか
袖看板
05 アクリル板にひびが入っていませんか
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06 アクリル板が外れそうではありませんか
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07 パネル(表示面)ががたついていませんか
野立看板・壁面看板
08 照明の不点灯などはありませんか
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09 照明器具は傾いたり、外れかけていませんか
外照式看板
10 看板部材が欠落していませんか
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3,専門業者による定期安全点検
(1)専門業者に相談し、定期点検の依頼をしましょう
専門業者に依頼すると、日常点検では把握できない詳細な点検を行います。定期点検によって発見した問題点、対応方法、必要な経費について、写真や資料等を提示し、分かりやすく説明してくれる専門業者を選びましょう。
(2)専門業者がおこなうこと
まずは、見積もりを取りましょう。その際に点検項目の確認などをすることをお勧めします。
01 溶接部分の亀裂や破断の状況
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02 ボルト・ビスのゆるみに状況
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03 構造体の腐食やさびの状況
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04 電気配線の劣化状況
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05 開閉金具(蝶番・パチン錠など)の状況
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06 外照式の器具・取付金具の状況
野立看板・壁面看板・屋外広告塔
07 コーキングの状況
袖看板・壁面看板
08 照明器具の交換
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09 看板清掃
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10 内部鉄筋の補修・タッチアップなど
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11 部品交換
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12 申請書類の作成
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13 定期点検のスケジュール管理
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14 点検報告の作成
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